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  フォルトゥナの瞳
木山慎一郎は、幼いころ火事で両親と妹を失った。
それ以来天涯孤独の人生だったが、現在は自動車のコーティング工場の社長にその腕を買われ、自動車塗装工として働いている。
ある日、仕事帰りの電車の中で慎一郎は目の前の乗客の手が透けているのを目にする。
仕事で疲れているせいか、目の錯覚だろうかと、あまり気にも留めずにいたが
その後も頻繁に、体の一部、もしくは全体的に透けている人たちを目にするようになる。
そして、それはその人に「死」が近づいていることを意味していると知る。
突然他人の死が見える力を持った慎一郎はとまどう。
偶然出会った、同じ力を持つ医師・黒川の「人の生死に関わるな」という忠告に反して、その人たちを死から回避させようと試みるが
それは慎一郎の運命を大きく変えることとなる。
 
この本を読んでから、外出中にすれ違う人の手をちらっと見てしまうことがあります。
「体の一部が透けて見える」なんて、ありえないことだし、ましてやそんな力は自分に宿ってほしくないですが。
そんなありえない設定を思いつく、百田直樹さんの頭の中はどうなっているんでしょう・・・。
これまでにも百田尚樹さんの作品を読んだり映画を観たりしましたが、美容整形あり、戦争の話あり、そして今回は不思議な力が宿った男性の物語。
ジャンルが多方面に及んでいて、ますます百田尚樹さんの守備範囲の広さに驚きます。
死が近づいていることがわかる力はないですが、それでも人のためにどれだけ自分を犠牲にできるのか・・・ということを考えさせられました。
「私ばっかりしんどい思いしている」とか「私はいつも損している」とか、そういった「我」中心の思いを後ろに回して、「ありがたく人のために自分の力を使う」という
ヨガ教室での瞑想のテーマを思い出しました。・・・なかなかの難題で、実践できないでいるんですけれど^^;