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 火花
お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹さんの作品です。
年末の放送だったと思いますが、又吉さんが出演されている「出版界の歴史を振り返ってみる」というテレビ番組で又吉さんの、お笑い芸人とは違った一面を見ました。
「好きな作家は太宰治」という又吉さんの書く本ってどんなんだろう・・・と興味が湧きました。
この物語も芸人が主人公。
花火大会の夜、ひょんなことから出会う2人の漫才師。
天才肌でお笑いに対して独特の世界を持つ「神谷」と、そんな彼を師と仰ぐ後輩「徳永」。
若い2人の、「お笑い」についての考えや会話と共に物語は、彼らの人生は、進んでいきます。
どんな芸の道も厳しいと思いますが、「お笑い」の道っていうのもほんとに厳しい、苦しい・・・と痛感しました。
でも一方で、そんな「厳しさ」「苦しさ」ってどんな人生にもあるよなぁ・・・って思いました。
特に私は、徳永と自分自身がオーバーラップして彼の行動や言葉にとても共感したシーンが多かったんです。
「私もそう。」「あぁ一緒だ〜。」って。
私が踏み込んだことのないお笑いの世界のお話でありながら、初めから終わりまでのめり込めた理由は、この物語が「お笑い芸人」に限らず「どんな人」にも当てはまるからではないかと思います。
人生本当にいろいろなことがあるけれど、前に進まなきゃ・・・そんな気持ちが湧いてきます。
それに、神谷も徳永もコテコテの関西弁でしゃべっているので、普段自分がしゃべっているような感覚で読んでいました。
「また小説を書きますか?」というアナウンサーの質問に、「書きたくなったら、書きます」と応えた又吉さん。次回作、楽しみにしています。