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 本日は、お日柄もよく
片思いをしていた幼なじみの厚志の結婚式に、気乗りしないまま出席していた二ノ宮こと葉は、
そのお祝いのスピーチで会場を拍手喝采、感動の涙でいっぱいにした一人の女性と出会います。
その女性はスピーチライターの久遠久美。
彼女に強烈に魅かれたこと葉は、すぐに彼女に弟子入りし、スピーチライターの勉強を始めます。
スピーチの魅力の虜になること葉。
そしてとうとう、「政権交代」を叫ぶ野党のスピーチライターに抜擢されます。
世の中の人たちを、中でも弱者を助けたい、幸せにしたい・・・そんな党の政策をどんな言葉で、どんな演出で聴衆に訴えるのか。
スピーチライターの腕の見せ所です。
 
本を読み終わったあと、ふ〜っと息を吐き、しばらく余韻に浸る・・・ということは多々あるのですが
この本は第一章の久美さんのスピーチを読んだところで、もうじわ〜っと涙が溢れてきて、いったんティッシュを取りに立ち上がりました。
私はスピーチライターという仕事があることを、この本で初めて知りました。
例えば首相の所信表明、例えば結婚式の祝辞、例えば選挙演説。いろいろなスピーチの場があります。
スピーチをする人、場所、状況、聴衆、スピーチの目的など、あらゆる情報を調べ、どんなスピーチがそのシーンに最適かをアドバイスする仕事が
スピーチライターなのだそうです。
記憶に新しい、心に残るスピーチと言えば、前アメリカ大統領のオバマさんの任期終了のときのスピーチです。
他にも大統領就任のときや広島訪問のとき・・・どれも聴いているものの心にすーっと染み込むような
優しくて力強い話し方やフレーズに満ちていました。
きっとオバマさんにも優秀なスピーチライターがついていたのでしょう。
もっと身近なところで言えば、授業の進め方が上手な学校の先生。懇談会で笑いを上手に取り入れながらお子さんの様子を話す保護者の方。
そういう方のお話って、今でも覚えていたりします。
共感できたり、教えられたり、勇気づけられたリ、言葉の力ってすごいものだなと思います。
だからスピーチとまではいかなくても、普段の会話でも相手や状況に応じて、心地よい言葉を発することができたらいいですね。
普通のOLだったこと葉は、この物語の終盤で、スピーチライターとしてとても大きな仕事をやり遂げます。
そんなこと葉の奮闘する姿に、元気をもらい、熱い気持ちにさせてもらい、また文字が潤んで見えました。