| 告白 | |
 告白 |
ある中学校の女性教師の娘が学校内で亡くなるという事件が起こった。
女性教師はホームルームで「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」と衝撃の告白をする。
クラスメイト、犯人である生徒ＡとＢ、その家族・・・彼らの「告白」から、女児殺害事件の真実が明らかとなる。
松たか子さん主演で話題になった同名映画の原作。
女性教師、クラスメイト、犯人、、犯人の家族、それぞれから見る事件は、たったひとつのものと思えないほどそれぞれの思惑や事情が絡み合って、様々に違った景色が広がっているようです。
犯人の家族から見た不可思議な犯人の行動・・・でも犯人の告白で、それは不可思議ではなく納得の行動と思えるようになり
教師の理解できない行動が、女性教師の告白によってもっともだと思える・・・物語を読んでいくうちに、1枚、また一枚と、謎のヴェールが剥がされ
真実が鮮明になってくるところが、おもしろくもあり、恐ろしくもある一冊でした。
女性教師の告白で始まった物語は、最後にまた女性教師の告白でエンディングを迎えます。最後の告白で彼女の「復讐」が明らかになるのですが
今まで読んだミステリーの大部分のように「事件解決」とは言えないエンディングです。「どうなったの？」「それでよかったの？」と、その先を想像して、想像し切れなくて
またもう一度初めのページに戻って読み直してしまいました。
作者の湊かなえさんは、夜中に執筆活動をされていると聞きました。この作品も、以前読んだ「夜行観覧車」も、世間が暗闇と静寂に包まれている中生まれたのですね。
なんだかとても納得です。怖がりの私は、いつも昼間に読書しています（笑）
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