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みをつくし料理帖 八朔の雪
みをつくし料理帖
幼い頃故郷の大坂で大洪水に遭い、両親を失った主人公の澪。大阪天満橋にある天満一兆庵の女将に助けられ、それ以来料理人として奉公をするようになった。ある出来事がきっかけで女将と2人で右も左もわからない江戸へやってきた澪。蕎麦屋「つる家」でその料理の腕を振るおうと奮闘するが、大坂の味と江戸の味の違いに戸惑い、江戸の人たちにはなかなか受け入れられず何度も壁にぶち当たる。それでも周りの人々に助けられ勇気づけられながらお客さんに喜んでもらえるものを作ろうと努力し続ける、読んでいて元気をもらえる時代小説。

私は今までの人生の中で4年間だけですが神奈川県に住んでいたことがあるので、関東と関西(江戸と上方)の違いはいろいろ感じるところがあります。この物語に出てくる「出汁」もそのひとつ。主人公の澪さんは濃い味付けを好む江戸の人たちに、上方の薄味の料理を出してしまい、ことごとく拒まれます。それでも工夫とアイデアでヒットメニューをひとつひとつプロデュースしていくのです。そんな澪さんの考えたメニューのレシピが巻末に4つ載っているので、その中から「酒粕汁」を作ってみました。にんじんや大根、コンニャク、鮭、葱などの具材を味の決め手となる出汁でコトコト煮込み、酒粕や味噌で味付けした体がポカポカになる一品です。このメニューができるまでも澪さんは大変な苦労をして「出汁」を考え出したんですよ〜。
また、澪さんや天満一兆庵の女将さん(関西ではご寮さん・ごりょんさんと呼びます)の話す関西弁も、2人を取り巻く気風のいい江戸の人たちの言葉も読んでいて心温まる一冊です。