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 良寛 旅と人生
子どもたちと仲良く遊ぶ優しいお坊さんで知られる「良寛さん」。
次女がその本を読んだというので、借りて読んでみました。
この本には、良寛の生涯についてと、その生涯に残した七百余りの漢詩、千四百首を越える和歌の一部が書かれています。
漢詩も和歌も難しい!というイメージですが、ひとつひとつ解説されているので、その魅力をじっくり味わうことができました。
春のある日に子どもたちと手まりをついて遊んだこと、子どもたちと遊べる春を待ち遠しいと思う気持ちなどを詠んだ歌も多く
そんな気持ちは昔の人も、今の人も、同じなんだなぁとしみじみ思います。
そんな、身近な題材を素直に和歌にしているところが親しみやすさを感じますし、
また一方で「安易に名誉や利益への道を歩いてはいけない」といった戒めの詩も多くあり、慎ましく真面目な人柄が窺えます。
どの和歌や漢詩にも共感したりうなづけるところがあったのですが
中でも驚いたのは
「鶯や 百人ながら 気がつかず」という一首。
これは「鶯の鳴き声は昔からもてはやされてきたのに、百人一首の歌人たちは誰も鶯の歌を詠んでいない」ということなのだそうです。
良寛の鋭さに思わず唸ってしまいました。
「貧しい禅僧」だった良寛ですが、その心はいつも温かさで溢れていて、豊かな感性で私たちにたくさんの大切なことを教えてくれているんだなと
この本を読んで思いました。