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とんび
 とんび
幼いころに母親を亡くし、父親とも別れ、伯父夫婦に育てられたヤスさん。
気立ての優しい美佐子さんと出会い結婚、長男アキラも生まれ、人生最高の幸せを感じていた。
ところがある日、最愛の美佐子さんを事故で失ってしまう。
悩み、迷い、時には途方に暮れながらも、周りの人たちに支えられて一生懸命アキラを育てるヤスさん・・・
ヤスさんの、不器用で意地っ張りで限りない愛に溢れた日々を描いた感動の物語。

2013年1月から3月までTBS系で放送されていた同名タイトルのドラマの原作です。
ドラマを見てどれだけの涙を流したかわかりません。
毎週毎週、ティッシュ片手に見ておりました。
不器用だけど真面目で曲がったことがキライのヤスさん。
そんな父の背中を見て、長男アキラも心優しい人に育ちます。
けれど、それまでには父と子の間にいろんなことが起こります。子育てって一筋縄ではいかないのですよね。
ヤスさんの悩む姿には共感のしっぱなしでした。
けれどヤスさんとアキラの側にはいつも助けてくれる人たちがいる・・・この人たちが本当に温かいのです。家族のように。家族以上に。
お母さんがいなくなって淋しがる幼いアキラに、近所のお寺に住む海雲和尚が「おまえは淋しい子なんかじゃないそ」と
伝えたシーンは、ドラマでも感動したのですが、本で読んでも涙が出ました。
そのシーンを読んでいたのが、花粉症のお薬をもらいに行ってた病院の待合。名前を呼ばれてもすぐに返事ができないくらいでした(笑)
私は娘たちにとっては「親」、そして両親にとっては「子ども」、どちらの立場でも悩んだり迷ったりしながら前へ進んでいくんだと感じました。
ときにはぶつかることもあるけれど、それは「子どもを大切に思っているから」「親を思いやっているから」であることに相違ないのですね。
物語の舞台になっている備後の方言でヤスさんがアキラに語る言葉や、周りの人たちがヤスさんに語る言葉は、そっくりそのまま読み手に語りかけてくれているようです。
この物語は、迷ったとき悩んだときにまた読み返したくなる、忘れたくない物語です。